Dandelion

[Discography]
1st I Think I'm Gonna Be Sick (1993)
2nd Dyslexicon (1995)
(ここに紹介した作品は全て持っていて、未聴のものはありません)

アメリカ北東部にあるフィラデルフィア出身のグランジバンドです。
同郷のグランジバンドとしてLatimerというバンドもいます。

バンド名の由来はThe Rolling Stonesの"Dandelion"という曲のようです。
この曲は1967年の"Their Satanic Majesties Request"というアルバムに入っています。
また、このアルバムに入っている"Citadel"という曲なども演奏していたようです。

このアルバムはThe Beatlesの"Sgt. Peppers~"から影響を受けて作られ、
The Rolling Stonesがサイケデリック路線に走った作品として有名です。

まずはバンド名の由来となったこの曲を貼っておきましょう。

The Rolling Stones - "Dandelion" (1967)

要するにこのバンドのルーツにもサイケデリックがあるようですね。

では、このバンドのサウンドもScreaming Treesであるとか、
Flowerheadのようにサイケデリック色がメインにあるかというと、
実のところそうではなくNirvanaの香りの強かったりします。

もうちょっと詳しく見ると、Nirvanaの持つダークネスや
パンクッシュな感覚をインディー臭を残す形で鳴らしています。
ですが、Nirvanaのようにダークにひたすら沈むわけでもなく、
Mudhoneyのようなどこか弾けた感覚をどこか感じさせてくれます。

またNirvanaっぽいといってもPixiesの影響はあまりなく、
Wipersあたりの要素のほうをより強く感じさせますね。

1stアルバムの1~4、6~8曲目はこういった路線の曲と言えます。
まずはそこからYoutubeにあった次の2曲を紹介しましょう。

Dandelion - "Under My Skin" (1993) [from "I Think I'm Gonna Be Sick"]

Dandelion - "Diggin' a Hole" (1993) [from "I Think I'm Gonna Be Sick"]

さて、メインはこのようにNirvana+Mudhoney的なサウンドですが、
彼らのルーツの1つであるサイケ感も曲によっては取り入れられています。

Nirvana+Muhoneyの路線とサイケを融合させた"I Can Remember"は秀逸ですし、
グランジにサイケの酩酊感を注入した"Weight of the World"、
浮遊感を強調した"Onion Field"など多様なサイケ感を見せてくれます。

また"In My Room"は一見するとAlice in Chainsに近く思えますが、
これもグランジにサイケデリックな粘りを入れることで実現されています。

ここで、グランジとサイケが見事に合わさった"I Can Remember"を紹介します。
自分としては1stの中で最も気に入っている曲でもあります。

Dandelion - "I Can Remember" (1993) [from "I Think I'm Gonna Be Sick"]

さて、2ndになってもNirvana+Mudhoneyにサイケが顔を出す、
というスタイルが基本になっている点は変ってはいません。

ですが、インディー的な粗さが1stに比べるとやや薄まって、
ポップなパンクの色合いが強まっていることが耳に残ります。
ただ、その中にもNirvanaのようなダークネスを感じさせる
メロディを上手く入れてくるあたりが面白かったりもします。

1・2、3・4、6・7、9曲目あたりがそのあたりの路線と言えるでしょう。
ただし曲によってポップなパンクに近いものもある一方で、
1stのようなグランジに近かったりとけっこう幅はあります。

やっぱり全体的には1stよりもポップになった感触はありますが、
楽曲の平均的なクオリティは高いのでなかなか飽きさせません。

まずはこの路線の曲から1つ紹介することにしましょう。
この曲の最後にはサイケデリックなインストも入ってきます。

Dandelion - "Trailer Park Girl" (1995) [from "Dyslexicon"]

他の曲はサイケデリックの香りを感じさせるものになっています。
(上に挙げた曲も多少のサイケ感が見えたりしていますが)

これももちろんグランジとサイケを融合させたものもあれば、
完全にサイケデリックな路線に突っ走った曲まであります。

自分達なりの枠組みの中でいろんなスタイルを見せてくるのはいいですね。

そこで前作にも見られたグランジに粘りのあるサイケを入れることで、
Alice in Chainsとも共通するダークネスを見せるこの曲を紹介します。

Dandelion - "Tapped" (1995) [from "Dyslexicon"]

全体としてややポップになったとはいえ、聴きごたえのある曲が多いです。

ところで彼らはしばしば1995年に"There Is Some Fun"という
レア曲集のボックスセットを出したと紹介されることがありますが、
これはこのアルバムの1995年の再発盤と混同されたと見てよさそうです。
(リリースしたレコード会社が一致している点から見ても間違いないでしょう。)

これはあくまでかつて存在した"Dandelion Records"のレア曲集であって、
いま紹介しているDandelionというバンドとは全く関係がありません。

では、最後に2ndから彼らの最大の代表曲である"Weird-Out"を貼っておきます。
この曲は代表曲であると同時に最も2ndの持つ個性を体現している曲でもあります。

1stのグランジ色はもっとストレートで直情的なものでしたが、
2ndはグランジながらも非常に耳に残るメロディが特徴となっています。
でも単純にポップ化と呼ぶにはあまりにひねくれてもいます。

Nirvanaの"Nevermind"に見られる「歪んだポップネス」とでも呼ぶべき、
ダークで攻撃的なのに耳に残りやすい、そんな感覚が強く出ています。

埋め込みは静止画に曲がついたものですが、公式動画も存在しています。
でも公式動画は埋め込みができないので、文字からのリンクとしました。

Dandelion - "Weird-Out" (1995) [from "Dyslexicon"]


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