Gruntruck
[Discography]
1st Inside Yours (1990)
2nd Push (1992)
1stEP Gruntruck (1996)
(ここに紹介した作品は全て持っていて、未聴のものはありません)
[関連の深いジャンル]
Grunge, Alternative Metal
第3弾はシアトルのグランジバンドであるGruntruck(グラントラック)です。
有名ではないものの、知名度もそれほど低くはないバンドだと思います。
このバンドは事実上Skin Yardから派生したバンドと言えます。
Green Riverなどと初期グランジを支えたSkin Yardの
ヴォーカリストであるベン・マクミランがSkin Yardよりも
メタル寄りに焦点を当てたサウンドを目指して結成しました。
(Skin YardはGreen River, Soundgarden, The Melvinsと並ぶ
「4大初期グランジバンド」に個人的に位置づけているバンドです。)
そのため、サウンドはまさに「Skin Yardをよりメタルに近づけた」感じです。
とはいえ、Skin Yard自身も80年代後期あたりからHR/HMに接近していたので、
この両者の音楽性には極端に大きな違いがあるというわけではありません。
また、そういった経緯からもともとはサイドプロジェクト的な存在でした。
しかしSkin YardではなくGruntruckがメジャーと契約したこともあり、
むしろGruntruckのほうがメインの存在になっていきました。
Skin Yardのメンバーでもあったジャック・エンディーノとの関係も良好で、
Gruntruckの全作品のプロデュースに彼が関わっています。
ちなみにハードコアパンクのThe Accusedのメンバーもこのバンドに何人か加わっています。
さて、Skin Yard以外でこのバンドのサウンドをたとえるとするなら、
Soundgardenの"Badmotorfinger"あたりが比較的近くなると思います。
ただし、"Badmotorfinger"ほど渦を巻くような圧力は強くなく、
共通したヘヴィネスやダークネスを持ってはいるものの
そのアプローチはもう少し素直なメタルに近いとも言えます。
ただし「素直なメタルに近い」と言っても、その雰囲気は完全にグランジで、
「ややメタリックなアプローチでグランジを鳴らしている」というものです。
またベンのヴォーカルもクリス・コーネルと近いものを持っています。
大人の渋みと高音でもコクのある声質などはなかなか共通しています。
さすがにヴォーカリストとしての実力が同じとは言えないですが(;゚ω゚)
1stアルバムも2ndアルバムも基本となる音楽性は近いですが、
1stではまだその音楽性が完全に固まっているとまでは言えないです。
"Move in Silence"はSkin Yardがやっても違和感がないですし、
逆に"Crucifunkin'"は2ndのよりねっとりした質感を既に示唆しています。
全体としては2ndよりもピリピリした切迫感がやや強いですね。
オープニングの"Not a Lot to Save"などは特にそれが上手く表現されています。
ということで、まずはその3曲と比較としてのSkin Yardの音源を紹介します。
Gruntruck - "Move in Silence" (1990) [from "Inside Yours"]
Skin Yard - "Jezechrist" (1991) [from "1,000 Smiling Knuckles"]
Gruntruck - "Crucifunkin'" (1990) [from "Inside Yours"]
Gruntruck - "Not a Lot to Save" (1990) [from "Inside Yours"]
2ndの"Push"も基本的なところは1stから維持されていますが、
1stに比べてヘヴィネスとねっとりした感触が強まっています。
とはいえ、その粘りはサイケデリックとは異質なものです。
でもって、1stよりも音楽性がはっきりと固まった印象があります。
このアルバムの良さは1st以上に佳曲が多く詰まっている点です。
どの曲の完成度も総じて高く、捨て曲のようなものがないですね。
たしかに4大バンドほど強烈なインパクトを見せはしないですが、
グランジに興味を持っている人ならまず外れないアルバムと言えます。
そういう点からすると、もっと知られてもいいアルバムですね。
でもって、メタリックなアプローチを見せるバンドでもあるので、
メタルからグランジに入る際にもオススメできるバンドです。
Grunturck自身はフルアルバムは2枚しか出していませんが、
Skin Yardの後期の作品とは音楽性も非常に似通っているので、
そっちのほうへと手を伸ばしていくのも悪くないでしょうね。
ということで、"Push"からも2つの曲を紹介しておきます。
Gruntruck - "Crazy Love" (1992) [from "Push"]
Gruntruck - "Above Me" (1992) [from "Push"]
ところでこの"Above Me"はTherapy?のこの曲と雰囲気が似てますね。
Therapy?とGruntruckはそれほど音楽性の近いバンドではないですけども。
Therapy? - "Turn" (1993) [from "Troublegum"]
Gruntruckはこの後、レコード会社との裁判などの関係で活動が停滞します。
裁判の後で1996年に3曲入りのEPを出していますが、その後は作品は出していません。
やや手に入りにくい作品ですが、Youtubeで3曲とも聴くことができます。
"Push"の頃に比べるとやや鋭さとアグレッシブな感触が強まってますね。
"Shot"は中盤がパンキッシュで、"New God"はメタリックだったりして面白いです。
Gruntruck - "Shot" (1996) [from "Gruntruck EP"]
Gruntruck - "Illusion" (1996) [from "Gruntruck EP"]
Gruntruck - "New God" (1996) [from "Gruntruck EP"]
ちなみにGruntruckにはアルバムに収められなかったレア曲がけっこうあります。
それらの曲もYoutubeに転がっているので探してみるのもいいかもしれません。
ヴォーカルのベン・マクミランは長い糖尿病との闘いの末、2008年の1月に他界されました。
既に表舞台から去っていたものの、このことは当時すぐに音楽メディアで報じられていました。
それでは、最後に自分がGruntruckの中で最も好きな曲の
2ndのオープニングでもある"Tribe"を貼っておきます(*・ω・)ノシ
Gruntruck - "Tribe" (1992) [from "Push"]
【関連記事】
・グランジ紹介 総合メニュー
1st Inside Yours (1990)
2nd Push (1992)
1stEP Gruntruck (1996)
(ここに紹介した作品は全て持っていて、未聴のものはありません)
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Grunge, Alternative Metal
第3弾はシアトルのグランジバンドであるGruntruck(グラントラック)です。
有名ではないものの、知名度もそれほど低くはないバンドだと思います。
このバンドは事実上Skin Yardから派生したバンドと言えます。
Green Riverなどと初期グランジを支えたSkin Yardの
ヴォーカリストであるベン・マクミランがSkin Yardよりも
メタル寄りに焦点を当てたサウンドを目指して結成しました。
(Skin YardはGreen River, Soundgarden, The Melvinsと並ぶ
「4大初期グランジバンド」に個人的に位置づけているバンドです。)
そのため、サウンドはまさに「Skin Yardをよりメタルに近づけた」感じです。
とはいえ、Skin Yard自身も80年代後期あたりからHR/HMに接近していたので、
この両者の音楽性には極端に大きな違いがあるというわけではありません。
また、そういった経緯からもともとはサイドプロジェクト的な存在でした。
しかしSkin YardではなくGruntruckがメジャーと契約したこともあり、
むしろGruntruckのほうがメインの存在になっていきました。
Skin Yardのメンバーでもあったジャック・エンディーノとの関係も良好で、
Gruntruckの全作品のプロデュースに彼が関わっています。
ちなみにハードコアパンクのThe Accusedのメンバーもこのバンドに何人か加わっています。
さて、Skin Yard以外でこのバンドのサウンドをたとえるとするなら、
Soundgardenの"Badmotorfinger"あたりが比較的近くなると思います。
ただし、"Badmotorfinger"ほど渦を巻くような圧力は強くなく、
共通したヘヴィネスやダークネスを持ってはいるものの
そのアプローチはもう少し素直なメタルに近いとも言えます。
ただし「素直なメタルに近い」と言っても、その雰囲気は完全にグランジで、
「ややメタリックなアプローチでグランジを鳴らしている」というものです。
またベンのヴォーカルもクリス・コーネルと近いものを持っています。
大人の渋みと高音でもコクのある声質などはなかなか共通しています。
さすがにヴォーカリストとしての実力が同じとは言えないですが(;゚ω゚)
1stアルバムも2ndアルバムも基本となる音楽性は近いですが、
1stではまだその音楽性が完全に固まっているとまでは言えないです。
"Move in Silence"はSkin Yardがやっても違和感がないですし、
逆に"Crucifunkin'"は2ndのよりねっとりした質感を既に示唆しています。
全体としては2ndよりもピリピリした切迫感がやや強いですね。
オープニングの"Not a Lot to Save"などは特にそれが上手く表現されています。
ということで、まずはその3曲と比較としてのSkin Yardの音源を紹介します。
Gruntruck - "Move in Silence" (1990) [from "Inside Yours"]
Skin Yard - "Jezechrist" (1991) [from "1,000 Smiling Knuckles"]
Gruntruck - "Crucifunkin'" (1990) [from "Inside Yours"]
Gruntruck - "Not a Lot to Save" (1990) [from "Inside Yours"]
2ndの"Push"も基本的なところは1stから維持されていますが、
1stに比べてヘヴィネスとねっとりした感触が強まっています。
とはいえ、その粘りはサイケデリックとは異質なものです。
でもって、1stよりも音楽性がはっきりと固まった印象があります。
このアルバムの良さは1st以上に佳曲が多く詰まっている点です。
どの曲の完成度も総じて高く、捨て曲のようなものがないですね。
たしかに4大バンドほど強烈なインパクトを見せはしないですが、
グランジに興味を持っている人ならまず外れないアルバムと言えます。
そういう点からすると、もっと知られてもいいアルバムですね。
でもって、メタリックなアプローチを見せるバンドでもあるので、
メタルからグランジに入る際にもオススメできるバンドです。
Grunturck自身はフルアルバムは2枚しか出していませんが、
Skin Yardの後期の作品とは音楽性も非常に似通っているので、
そっちのほうへと手を伸ばしていくのも悪くないでしょうね。
ということで、"Push"からも2つの曲を紹介しておきます。
Gruntruck - "Crazy Love" (1992) [from "Push"]
Gruntruck - "Above Me" (1992) [from "Push"]
ところでこの"Above Me"はTherapy?のこの曲と雰囲気が似てますね。
Therapy?とGruntruckはそれほど音楽性の近いバンドではないですけども。
Therapy? - "Turn" (1993) [from "Troublegum"]
Gruntruckはこの後、レコード会社との裁判などの関係で活動が停滞します。
裁判の後で1996年に3曲入りのEPを出していますが、その後は作品は出していません。
やや手に入りにくい作品ですが、Youtubeで3曲とも聴くことができます。
"Push"の頃に比べるとやや鋭さとアグレッシブな感触が強まってますね。
"Shot"は中盤がパンキッシュで、"New God"はメタリックだったりして面白いです。
Gruntruck - "Shot" (1996) [from "Gruntruck EP"]
Gruntruck - "Illusion" (1996) [from "Gruntruck EP"]
Gruntruck - "New God" (1996) [from "Gruntruck EP"]
ちなみにGruntruckにはアルバムに収められなかったレア曲がけっこうあります。
それらの曲もYoutubeに転がっているので探してみるのもいいかもしれません。
ヴォーカルのベン・マクミランは長い糖尿病との闘いの末、2008年の1月に他界されました。
既に表舞台から去っていたものの、このことは当時すぐに音楽メディアで報じられていました。
それでは、最後に自分がGruntruckの中で最も好きな曲の
2ndのオープニングでもある"Tribe"を貼っておきます(*・ω・)ノシ
Gruntruck - "Tribe" (1992) [from "Push"]
【関連記事】
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