サイケデリックロックができるまで 第5回

これまでインド音楽系、ファンタジー系、ガレージ系と
様々な方面からサイケデリックロックが生まれてきましたが、
今度はさらに新しい方向へとサイケの波が広がっていきます。

それがフォークとサイケとの出会い、サイケデリックフォークでした。

その先鞭をつけたのが、Donovanというフォークシンガーでした。

彼はもともとシンプルなフォークを演奏していたのですが、
1966年7月1日にリリースしたシングル"Sunshine Superman"において、
サイケデリックな要素を取り入れたフォークソングを発表します。

Donovan - Sunshine Superman (1966) [Psychedelic Folk]


決してゴリゴリのサイケデリックサウンドというわけではないですが、
インド音楽的な要素をフォークに取り入れたのは間違いなく革新的でした。

これは商業的にも大成功し、全米1位、全英2位という記録を打ち立てます。
これがさらにサイケデリックロックの勢いを高めたのは間違いないでしょう。

そして何とこの曲、サポートミュージシャンとして後にLed Zeppelinを結成する
ジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加しているのですよね。

そう考えると非常に豪華なメンバーで演奏された曲だと言えます。

また、この曲はタイトルも非常にサイケデリックなのですよね。
というのも、"Sunshine"という単語はサイケ方面でよく使われていましたので。

この後もDonovanはサイケフォークの第一人者として長く活躍しますが、
彼がサイケデリックロックに残した功績は決してこれだけではありません。

1966年8月26日にリリースしたアルバム"Sunshine Superman"において、
サイケデリックロックの形をさらに推し進める曲を作っているのです。

Donovan - Legend of a Girl Child Linda (1966) [Psychedelic Rock / Psychedelic Folk]


この曲を聴くと、自然と中世ヨーロッパを舞台にした
ファンタジー映画などの映像が浮かび上がってきます。

これはまさにファンタジー系サイケの新しい形でもありました。

これまでThe Rolling Stonesなどが作り上げてきた
ファンタジー系サイケはバロック音楽からの直接的な影響が濃かったですが、
ここではそうした路線は少し離れた形からファンタジー的サイケデリアを演出しています。

これによって、ファンタジー系サイケのあり方はさらに広がりを持ちました。

サイケフォーク、ファンタジー系サイケ、この2つの方面において、
Donovanは大きな仕事をしたというふうに言えるわけですね。

さて、ファンタジー系サイケの先鞭をつけたThe Rolling Stonesも負けていません。

1967年1月13日に"Ruby Tuesday"というシングルをリリースし、
これによってバロックポップ的なサウンドをさらに進化させ、
バロック風ファンタジー系サイケのスタイルを完成させます。

以前に紹介した"Lady Jane"よりもサイケポップ感が数段増しています。

The Rolling Stones - Ruby Tuesday (1967) [Psychedelic Rock]


こうしてサイケデリックロックの土台はほぼ完全に作り上げられました。
そして1967年に入ってから、サイケデリックロックは一気にピークを迎えます。

次回の記事ではそのサイケムーブメントがピークに達する場面を見ていきましょう。

◎ここまでのサイケデリックロック形成の年表


1965.6.4 The Yardbirds - Heart Full of Soul (Single)
1965.7.30 The Kinks - See My Friends (Single)
1965.11 The Seeds - Pushin' Too Hard (Single) (Album 1966.4, Re-release 1966.7)
1965.12.3 The Beatles - Norwegian Wood (This Bird Has Flown) (Album "Rubber Soul")
1966.2.25 The Yardbirds - Shape of Things (Single)
1966.3.14 The Byrds - Eight Miles High (Single)
1966.4.15 The Rolling Stones - Lady Jane (Album "Aftermath UK")
1966.5.16 The Beach Boys - Album "Pet Sounds"
1966.5.30 The Beatles - Rain (Single "Paperback Writer")
1966.7.1 Donovan - Sunshine Superman (Single)
1966.8.5 The Beatles - Love You To, Tomorrow Never Knows (Album "Revolver")
1966.8.26 Donovan - Album "Sunshine Superman"
1966.10.10 The Beach Boys - Good Vibrations (Single)
1966.10.17 The 13th Floor Elevators - Album "The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators"
1966.10 The Deep - Album "Psychedelic Moods"
1966.11 Blues Magoos - Album "Psychedelic Lollipop"
1966.11 The Electric Prunes - I Had Too Much to Dream (Last Night) (Single)
1967.1.13 The Rolling Stones - Ruby Tuesday (Single)

時系列を見ると、Donovanもまたサイケの先駆者であったことがよくわかりますね。

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テーマ : 洋楽ロック | ジャンル : 音楽

コメント

 
かーとさま
サイケデリックフォークという動きもあったんですね。まあやっぱり出てきますよね。

ドノバンは名前は知っていても聞くことはなかったんですよ。紹介の1曲目、これは聞きやすくてポップな曲調ですね。全米1位になったのもうなずけます。のちのツエッペリンのメンバーが参加してるというのもすごいですね。Jペイジはアコースティックギターの名手でも有名なので声がかかったんでしょうね。ほかにもJベックも参加してたなど豪華メンバー実に興味深いです。


次の曲はおっしゃる通り中世の雰囲気を思わせるファンタジー映画のような世界ですね。管楽器などの音色が物語性を感じます。いままでのサイケとはずいぶん毛色が違いますね。

三つ目はRストーンズなんですか!Lady Janeよりポップ感はありますね。ストーンズ全体の中でいったらだいぶ異色になるんでしょうか。ここでも管楽器、それもリコーダーをつかってますね。これがすごいアクセントになってます。前回のクイーカもそうですがフォークサイケデリックでもいろんなことをトライしてますね。

さて次がサイケのピークですね。とっても楽しみにしております。

とら次郎のとうちゃんさん、こんばんは!

サイケフォークはここではDonovanのみの紹介となっていますが、
もっとコアなスタイルのサイケフォークなんかも後に登場しますね!

フォークもまたサイケ的にいろんな楽器を導入しやすいですからね!

おっ、とら次郎のとうちゃんさんはドノヴァンの名前を知っていましたか!(●・ω・)

ドノヴァンは全体的に聞きやすい曲が多いですね!
なので、サイケフォークの入門としてもピッタリですね!

"Legend of a Girl Child Linda"はこれまでの
クラシカルでファンタジー的なサイケデリアを受け継ぎつつも、
従来のスタイルとはまた違ったアプローチが見られますよね!

フォークとクラシックの要素のミックスが非常にきれいですね!

"Ruby Tuesday"は一般的なストーンズのイメージからすると、
かなり意外性をもって受け止められる曲ではあるでしょうね!

ただ1966~67年のストーンズはむしろこうした曲が非常に多く、
バロック的なサイケは彼らの得意分野でもあったのでしょうね!(●・ω・)

ストーンズの音楽性の広さを感じさせてくれる曲でもありますよね!

次回はサイケ方面の超有名バンドばかりが登場してきますよ!
ぜひお楽しみに!

それでは、今回も温かいコメントをありがとうございました!(゚x/)

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