ロックの歴史 第4回(1980年代のアンダーグラウンドシーン)
イギリスでのパンクムーブメント後にそこから派生したニューウェイブと、
ハードロックを基盤に生まれたヘヴィメタルがメインストリームを支配した一方で、
パンクは表舞台では目立たなくなり、アンダーグラウンドでの活動がメインになりました!
しかしこれは単なる「パンクのアンダーグラウンド化」ではなく、
後に大きく花開くためのエネルギーを蓄える期間となりました!
今回はそんな80年代のパンクシーンの動きを詳しく見ていきましょう!
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パンクシーンでは、実験性を重視するポストパンクとパンクの攻撃性をより高めたハードコアパンクに分化して以降も、さらに音楽性の広がりが進んでいった。ポストパンク方面ではサイケデリックロックの持っていた幻想性を大幅に取り入れ、そこにフィードバックノイズなどを加えたサウンドが生まれ、それらをThe Jesus and Mary Chain[ジーザス・アンド・メリーチェイン]やCocteau Twins[コクトー・ツインズ]などのバンドが先導していき、これらの音楽はドリームポップ(Dream Pop)やノイズポップ(Noise Pop)と呼ばれるようになる。そしてMy Bloody Valentine[マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン]がそこにダークな攻撃性を持ち込み、こうしたサウンドは新たにシューゲイザー(Shoegaze)と呼ばれるようになっていく。これらのバンドはギターのエフェクターの利用が複雑だったため、ライブ中に足元ばかりを見つめているように見えることが多く、そこから「靴を見つめてる奴等(=シューゲイザー)」と名付けられるようになった。
また、ポストパンクの持っている無機性を維持しながら、よりノイジーなサウンドを指向したバンドも数多く生まれてきて、それらはノイズロック(Noise Rock)と呼ばれるようになった。その先駆的なバンドの1つが、Nirvanaの"In Utero"(イン・ユーテロ)のプロデュースなどでも知られるスティーブ・アルビニが率いたBig Black[ビッグ・ブラック]で、ドラムマシンによる無機的なリズムとノイジーで攻撃的なギターを合わせたサウンドはポストパンクの新たな可能性を切り開くこととなった。このジャンルは後にはポストパンク由来の無機的な要素を取り除き、より肉感的なサウンドへと移行し、そこからThe Jesus Lizard[ジーザス・リザード]やUnsane[アンセイン]などのバンドが浮上してくる。
また、ハードコアパンクのシーンにおいても様々な変化が見られるようになってきた。もともとはパンクロックの攻撃性を高めることを狙って生まれたジャンルだったが、そこにとらわれないサウンドを取り入れる例が生まれてきたのである。メロディをほとんど重視することがなかったハードコアパンクにおいて、クリアなメロディをその中に絡めていったHusker Du[ハスカー・ドゥ]、テンポの速さが身上であったハードコアパンクのスピードをあえて落とし、Black Sabbathにも通じるダークネスを絡めていったBlack Flag、ファンクなどの様々な音楽性をハードコアパンクの中に取り入れていったMinutemen[ミニットメン]、オーガニックで優しいサウンドとパンクをミックスしていったThe Replacements[リプレイスメンツ]などが生まれ、これらは後にオルタナティブロックと呼ばれるジャンルへ強い影響を与えていくこととなった。
またMinor Threatの解散後に生まれたFugazi[フガジ]はパンクの攻撃性を維持しながら、そこにチリチリと胸を刺すようなメロディを絡ませ、これらはポストハードコア(Post-Hardcore)というジャンルとして確立されていくこととなった。
パンクシーンにおける新たな試みと音楽性の細分化の進行は、それまでにあったジャンルの壁を壊していくことに繋がっていった。それまでは相容れないものと見られていたメタルとパンクの融合をはじめ、ファンクなどの様々なジャンルがロックに取り込まれていき、既存のジャンルでは括り切れないバンドが数多く生まれてくることになった。
そうしたバンドの先駆的な存在となったのが80年代初期から活動するR.E.M.[アール・イー・エム]であった。パンクからの影響を垣間見せながらも、フォークロックのような温かみを同時に持っていて、聴きやすくもありながら実験的でとらえどころのないサウンドを鳴らしていた。こうしたジャンル不明の音楽は、「それまでの音楽に取って代わるもの」としてオルタナティブ・ロック(Alternative Rock)と呼ばれるようになっていく。
ニューヨークのノーウェイブシーンから生まれたSonic Youth[ソニック・ユース]、とらえどころのない攻撃的なサウンドを鳴らしていたButthole Surfers[バットホール・サーファーズ]、ニール・ヤングのフォーク性とパンクの攻撃性をミックスさせたようなDinosaur Jr.[ダイナソー・ジュニア]などをはじめとして、80年代後半にはNirvanaに多大な影響を与えたことでも知られるPixies[ピクシーズ]などのバンドもシーンに浮上してくることになる。
こうしたジャンルの垣根を超えたサウンドが生まれてくる中で、とりわけ多く生まれたのがパンクやメタルにファンクの要素を加えたサウンドであった。もともとはファンク寄りのバンドとして誕生したRed Hot Chili Peppers[レッド・ホット・チリ・ペッパーズ]やFishbone[フィッシュボーン]といったバンドは、アルバムを重ねるごとにハードロックなどの要素を多く取り入れていき、こうしたサウンドはファンクメタル(Funk Metal)と呼ばれるようになっていく。ファンクメタルと一口に言ってもその音楽性は幅広く、ポストパンク的な実験性からファンクを取り入れていったJane's Addiction[ジェーンズ・アディクション]やFaith No More[フェイス・ノー・モア]、メタル寄りのサウンドにファンクの要素を取り入れたLiving Colour[リヴィング・カラー]やExtreme[エクストリーム]など、ルーツが異なる様々なバンドが含まれていた。
また、メタルとパンクの融合としては、ハードコアパンクとスラッシュメタルの要素を併せ持たせた、Suicidal Tendencies[スイサイダル・テンデンシーズ]などによるクロスオーヴァー・スラッシュ(Crossover Thrash)なども台頭してきていた。
そしてパンクとメタルの融合として外すことができないのが、80年代中期のシアトルのアンダーグラウンドシーンで起きていた動きである。もともとは普通のハードコア/ポストパンクシーンだったが、Black Flagが「遅くて地下臭の漂うハードコア」を持ち込んだことによって大きな変化が生まれてくることになった。このサウンドをいち早く取り入れ、そこにハードロック的なリフを持ち込んだGreen River[グリーン・リヴァー]の誕生を皮切りに、Soundgarden[サウンドガーデン]、Skin Yard[スキン・ヤード]、Melvins[メルヴィンズ]などのバンドがシーンを先導していく。さらに80年代後期にかけて、ここにNirvana[ニルヴァーナ]やGreen Riverの解散後に生まれたMudhoney[マッドハニー]などのバンドも加わっていき、これが90年代初期のオルタナティブロックの大ブレイクへとつながっていくことになる。
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アンダーグラウンド化が進行しながらパンクは様々な形で進化し、
ジャンルの壁を壊しながらオルタナティブロックへの変化していきます!
さて、このオルタナティブロックが90年代に入ってどうなるか、
次回ではその巨大な動きについてしっかりと見ていきます!
ということで、次回も雑学的にロックの歴史の変遷をお楽しみください!(゚x/)
【関連記事】
・ロックの歴史 第6回(2000年代前半まで)
・ロックの歴史 第5回(1990年代前半)
・ロックの歴史 第4回(1980年代のアンダーグラウンドシーン)
・ロックの歴史 第3回(1980年代のメインストリームシーン)
・ロックの歴史 第2回(1970年代)
・ロックの歴史 第1回(1960年代)
ハードロックを基盤に生まれたヘヴィメタルがメインストリームを支配した一方で、
パンクは表舞台では目立たなくなり、アンダーグラウンドでの活動がメインになりました!
しかしこれは単なる「パンクのアンダーグラウンド化」ではなく、
後に大きく花開くためのエネルギーを蓄える期間となりました!
今回はそんな80年代のパンクシーンの動きを詳しく見ていきましょう!
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◎パンクシーンのさらなる細分化の進行(80年代中盤)
パンクシーンでは、実験性を重視するポストパンクとパンクの攻撃性をより高めたハードコアパンクに分化して以降も、さらに音楽性の広がりが進んでいった。ポストパンク方面ではサイケデリックロックの持っていた幻想性を大幅に取り入れ、そこにフィードバックノイズなどを加えたサウンドが生まれ、それらをThe Jesus and Mary Chain[ジーザス・アンド・メリーチェイン]やCocteau Twins[コクトー・ツインズ]などのバンドが先導していき、これらの音楽はドリームポップ(Dream Pop)やノイズポップ(Noise Pop)と呼ばれるようになる。そしてMy Bloody Valentine[マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン]がそこにダークな攻撃性を持ち込み、こうしたサウンドは新たにシューゲイザー(Shoegaze)と呼ばれるようになっていく。これらのバンドはギターのエフェクターの利用が複雑だったため、ライブ中に足元ばかりを見つめているように見えることが多く、そこから「靴を見つめてる奴等(=シューゲイザー)」と名付けられるようになった。
また、ポストパンクの持っている無機性を維持しながら、よりノイジーなサウンドを指向したバンドも数多く生まれてきて、それらはノイズロック(Noise Rock)と呼ばれるようになった。その先駆的なバンドの1つが、Nirvanaの"In Utero"(イン・ユーテロ)のプロデュースなどでも知られるスティーブ・アルビニが率いたBig Black[ビッグ・ブラック]で、ドラムマシンによる無機的なリズムとノイジーで攻撃的なギターを合わせたサウンドはポストパンクの新たな可能性を切り開くこととなった。このジャンルは後にはポストパンク由来の無機的な要素を取り除き、より肉感的なサウンドへと移行し、そこからThe Jesus Lizard[ジーザス・リザード]やUnsane[アンセイン]などのバンドが浮上してくる。
また、ハードコアパンクのシーンにおいても様々な変化が見られるようになってきた。もともとはパンクロックの攻撃性を高めることを狙って生まれたジャンルだったが、そこにとらわれないサウンドを取り入れる例が生まれてきたのである。メロディをほとんど重視することがなかったハードコアパンクにおいて、クリアなメロディをその中に絡めていったHusker Du[ハスカー・ドゥ]、テンポの速さが身上であったハードコアパンクのスピードをあえて落とし、Black Sabbathにも通じるダークネスを絡めていったBlack Flag、ファンクなどの様々な音楽性をハードコアパンクの中に取り入れていったMinutemen[ミニットメン]、オーガニックで優しいサウンドとパンクをミックスしていったThe Replacements[リプレイスメンツ]などが生まれ、これらは後にオルタナティブロックと呼ばれるジャンルへ強い影響を与えていくこととなった。
またMinor Threatの解散後に生まれたFugazi[フガジ]はパンクの攻撃性を維持しながら、そこにチリチリと胸を刺すようなメロディを絡ませ、これらはポストハードコア(Post-Hardcore)というジャンルとして確立されていくこととなった。
◎ジャンルの壁の崩壊とオルタナティブロックの誕生(80年代後半)
パンクシーンにおける新たな試みと音楽性の細分化の進行は、それまでにあったジャンルの壁を壊していくことに繋がっていった。それまでは相容れないものと見られていたメタルとパンクの融合をはじめ、ファンクなどの様々なジャンルがロックに取り込まれていき、既存のジャンルでは括り切れないバンドが数多く生まれてくることになった。
そうしたバンドの先駆的な存在となったのが80年代初期から活動するR.E.M.[アール・イー・エム]であった。パンクからの影響を垣間見せながらも、フォークロックのような温かみを同時に持っていて、聴きやすくもありながら実験的でとらえどころのないサウンドを鳴らしていた。こうしたジャンル不明の音楽は、「それまでの音楽に取って代わるもの」としてオルタナティブ・ロック(Alternative Rock)と呼ばれるようになっていく。
ニューヨークのノーウェイブシーンから生まれたSonic Youth[ソニック・ユース]、とらえどころのない攻撃的なサウンドを鳴らしていたButthole Surfers[バットホール・サーファーズ]、ニール・ヤングのフォーク性とパンクの攻撃性をミックスさせたようなDinosaur Jr.[ダイナソー・ジュニア]などをはじめとして、80年代後半にはNirvanaに多大な影響を与えたことでも知られるPixies[ピクシーズ]などのバンドもシーンに浮上してくることになる。
こうしたジャンルの垣根を超えたサウンドが生まれてくる中で、とりわけ多く生まれたのがパンクやメタルにファンクの要素を加えたサウンドであった。もともとはファンク寄りのバンドとして誕生したRed Hot Chili Peppers[レッド・ホット・チリ・ペッパーズ]やFishbone[フィッシュボーン]といったバンドは、アルバムを重ねるごとにハードロックなどの要素を多く取り入れていき、こうしたサウンドはファンクメタル(Funk Metal)と呼ばれるようになっていく。ファンクメタルと一口に言ってもその音楽性は幅広く、ポストパンク的な実験性からファンクを取り入れていったJane's Addiction[ジェーンズ・アディクション]やFaith No More[フェイス・ノー・モア]、メタル寄りのサウンドにファンクの要素を取り入れたLiving Colour[リヴィング・カラー]やExtreme[エクストリーム]など、ルーツが異なる様々なバンドが含まれていた。
また、メタルとパンクの融合としては、ハードコアパンクとスラッシュメタルの要素を併せ持たせた、Suicidal Tendencies[スイサイダル・テンデンシーズ]などによるクロスオーヴァー・スラッシュ(Crossover Thrash)なども台頭してきていた。
そしてパンクとメタルの融合として外すことができないのが、80年代中期のシアトルのアンダーグラウンドシーンで起きていた動きである。もともとは普通のハードコア/ポストパンクシーンだったが、Black Flagが「遅くて地下臭の漂うハードコア」を持ち込んだことによって大きな変化が生まれてくることになった。このサウンドをいち早く取り入れ、そこにハードロック的なリフを持ち込んだGreen River[グリーン・リヴァー]の誕生を皮切りに、Soundgarden[サウンドガーデン]、Skin Yard[スキン・ヤード]、Melvins[メルヴィンズ]などのバンドがシーンを先導していく。さらに80年代後期にかけて、ここにNirvana[ニルヴァーナ]やGreen Riverの解散後に生まれたMudhoney[マッドハニー]などのバンドも加わっていき、これが90年代初期のオルタナティブロックの大ブレイクへとつながっていくことになる。
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アンダーグラウンド化が進行しながらパンクは様々な形で進化し、
ジャンルの壁を壊しながらオルタナティブロックへの変化していきます!
さて、このオルタナティブロックが90年代に入ってどうなるか、
次回ではその巨大な動きについてしっかりと見ていきます!
ということで、次回も雑学的にロックの歴史の変遷をお楽しみください!(゚x/)
【関連記事】
・ロックの歴史 第6回(2000年代前半まで)
・ロックの歴史 第5回(1990年代前半)
・ロックの歴史 第4回(1980年代のアンダーグラウンドシーン)
・ロックの歴史 第3回(1980年代のメインストリームシーン)
・ロックの歴史 第2回(1970年代)
・ロックの歴史 第1回(1960年代)
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横町さん、こんばんは。
今回はアンダーグラウンドシーンの動向ということで、
ややマニアックでしたが、丁寧に読んでいただき誠に感謝しています。
>オルタナティブロックとは、1980~90年代に流行したスタイルのうち、
>当時流行した音楽指向に際し、敢えて反旗を翻す形で誕生した分野を指す
いやはや、ここまで深く解釈してくださり本当にありがたいです!
まさにオルタナティブロックは単に当時新規性のあった音楽というだけでなく、
「流行や主流に対する抵抗」という意味合いを非常に強く持っていました。
姿勢そのものがオルタナティブ(=現状に取って代わろうとするもの)でした。
そしてこの姿勢こそが90年代のミュージシャンの様々なところに繋がっていきます。
スター性を強く打ち出していた80年代に対し、スター的なものを嫌った90年代、
派手でポップな80年代に対し、真面目でわざと暗さを強調していた90年代と、
音楽やミュージックシーンに向き合う姿勢が正反対だったのですよね。
>ロックは分野に捉われず己の感覚を最優先するほうですが、
>ノウハウをお聞きしますと、水面下で様々な動きがあったのを連想します。
私はあえてジャンルやミュージックシーンを強調する傾向がありますが、
いずれその理由についても記事にまとめたいと思っています。
感覚なくしてロックを楽しむことはもちろんできませんが、
頭とリンクさせることでより深く楽しめるところもあるのですよね。
>共通して言えるのはロック魂とは、権力や王道に反旗を翻すことにある気がします。
>「社会の主流に乗り遅れたからと言って、何も悲観することは何もない。開き直るしかない。」
本当に素晴らしい見解です。私もこの横町さんの意見に全面的に同意します。
ロックには権力や王道への抵抗意識は欠かせないものだと私も思います。
世間の主流を見て、あえて抵抗して自分の道を突き進み、
「いずれは取って代わってやる」と野心を自分の中で燃やす、
これもまたロックの一つのあり方だと思います。
そしてその姿勢がこの時代のアンダーグラウンドには非常に強くありましたね。
>性分により組織勤めには向かない自分ですが、現役時代は意中のロックを口ずさみながら、
>宮仕えしていたのを思い出します。
私も横町さんと同じく既存の組織に向かないタイプなので、大いに共感いたします。
その中でロックはいつも自分の中の気持ちを奮い立たせてくれています。
>ロック以外としては、西部劇やマカロニウエスタンにおける孤高なガンマン、
>或いは任侠道における渡世人にも成り切りを求め
>ヨーロッパや中南米によく見られる過激な国歌も然りですが、根底でロックと繋がります。
>そのキーワードが”権力や王道に反旗を翻すこと”でした。
私も世間の真ん中からあえて外れて生きる人には憧れを抱きます。
横町さんも同じかもしれませんが、どうにも「長いものに巻かれる」ことが苦手です。
>結果として取り巻きは少なくなりましたが、これが自分の人生と振り返っています
私も浅く広いタイプの人付き合いは正直なところ上手くないですが、
最近は「それで人が離れるなら仕方ない」と割り切るようになりました。
横町さんの生き方からは今後もいろいろと学べることがありそうです。
それでは、コメントありがとうございました。
今回はアンダーグラウンドシーンの動向ということで、
ややマニアックでしたが、丁寧に読んでいただき誠に感謝しています。
>オルタナティブロックとは、1980~90年代に流行したスタイルのうち、
>当時流行した音楽指向に際し、敢えて反旗を翻す形で誕生した分野を指す
いやはや、ここまで深く解釈してくださり本当にありがたいです!
まさにオルタナティブロックは単に当時新規性のあった音楽というだけでなく、
「流行や主流に対する抵抗」という意味合いを非常に強く持っていました。
姿勢そのものがオルタナティブ(=現状に取って代わろうとするもの)でした。
そしてこの姿勢こそが90年代のミュージシャンの様々なところに繋がっていきます。
スター性を強く打ち出していた80年代に対し、スター的なものを嫌った90年代、
派手でポップな80年代に対し、真面目でわざと暗さを強調していた90年代と、
音楽やミュージックシーンに向き合う姿勢が正反対だったのですよね。
>ロックは分野に捉われず己の感覚を最優先するほうですが、
>ノウハウをお聞きしますと、水面下で様々な動きがあったのを連想します。
私はあえてジャンルやミュージックシーンを強調する傾向がありますが、
いずれその理由についても記事にまとめたいと思っています。
感覚なくしてロックを楽しむことはもちろんできませんが、
頭とリンクさせることでより深く楽しめるところもあるのですよね。
>共通して言えるのはロック魂とは、権力や王道に反旗を翻すことにある気がします。
>「社会の主流に乗り遅れたからと言って、何も悲観することは何もない。開き直るしかない。」
本当に素晴らしい見解です。私もこの横町さんの意見に全面的に同意します。
ロックには権力や王道への抵抗意識は欠かせないものだと私も思います。
世間の主流を見て、あえて抵抗して自分の道を突き進み、
「いずれは取って代わってやる」と野心を自分の中で燃やす、
これもまたロックの一つのあり方だと思います。
そしてその姿勢がこの時代のアンダーグラウンドには非常に強くありましたね。
>性分により組織勤めには向かない自分ですが、現役時代は意中のロックを口ずさみながら、
>宮仕えしていたのを思い出します。
私も横町さんと同じく既存の組織に向かないタイプなので、大いに共感いたします。
その中でロックはいつも自分の中の気持ちを奮い立たせてくれています。
>ロック以外としては、西部劇やマカロニウエスタンにおける孤高なガンマン、
>或いは任侠道における渡世人にも成り切りを求め
>ヨーロッパや中南米によく見られる過激な国歌も然りですが、根底でロックと繋がります。
>そのキーワードが”権力や王道に反旗を翻すこと”でした。
私も世間の真ん中からあえて外れて生きる人には憧れを抱きます。
横町さんも同じかもしれませんが、どうにも「長いものに巻かれる」ことが苦手です。
>結果として取り巻きは少なくなりましたが、これが自分の人生と振り返っています
私も浅く広いタイプの人付き合いは正直なところ上手くないですが、
最近は「それで人が離れるなら仕方ない」と割り切るようになりました。
横町さんの生き方からは今後もいろいろと学べることがありそうです。
それでは、コメントありがとうございました。
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かーとさんのおっしゃる多様化が何であるのか?を示唆するものと受け止めています。
ロックは分野に捉われず己の感覚を最優先するほうですが、ノウハウをお聞きしますと、水面下で様々な動きがあったのを連想します。
共通して言えるのはロック魂とは、権力や王道に反旗を翻すことにある気がします。「社会の主流に乗り遅れたからと言って、何も悲観することは何もない。開き直るしかない。」
性分により組織勤めには向かない自分ですが、現役時代は意中のロックを口ずさみながら、宮仕えしていたのを思い出します。
ロック以外としては、西部劇やマカロニウエスタンにおける孤高なガンマン、或いは任侠道における渡世人にも成り切りを求め、音楽と酒でサラリーマン生活後半の修羅場を乗り切った気がします。具体的には「相手がこう来たらこう切り返す」というシュミレーションを、普段から行っていたということです。(咄嗟に出せる言葉か否かを見極めるという意)
ヨーロッパや中南米によく見られる過激な国歌も然りですが、根底でロックと繋がります。そのキーワードが”権力や王道に反旗を翻すこと”でした。結果として取り巻きは少なくなりましたが、これが自分の人生と振り返っています。
◎まとめ◎
お陰様で本日も有意義な記事に触れさせて頂きました。かーとさん、今週もいいウイークエンドをお迎えください。ありがとうございます。