ロックの歴史 第1回(1960年代)

今日から1960年代以降のロックの歴史をまとめた文章の連載を始めます!(●・ω・)

これ、別にブログのために改めて書いたというわけではなくて、
数年前に友人に渡すために1日か2日でザクッと書いたのですよね!

で、最近ふと思い出して、「あれ、ブログを洋楽ロックメインにするなら、
あのロックの歴史の文章をそのまま記事にすればいいんじゃないか」と思い、
こうしてブログの記事にすることにしました!

本文については物足りない部分などは多少加筆はしますが、
基本的には数年前に書いたものをそのまま公開する形です!

やや時系列が雑かなと思えるところもあったりはするのですが、
ロックの歴史を数回の記事でザクッと知ることができるという点では
自分なりになかなかよくできた文章なのかなとも思っています!

ということで、連載スタートでございます!(=゚ω゚)

------------

◎ロックンロールからロックへ(60年代前半から中盤)


1950年代にElvis Presley[エルヴィス・プレスリー]やChuck Berry[チャック・ベリー]などのアメリカ出身のミュージシャンがロックンロール(Rock and Roll)の人気を確たるものとしていたが、そうしたサウンドの影響を受け、1960年代前半にイギリスを中心に新たなスタイルを持ったロックバンドが数多く生まれていった。

The Beatles[ビートルズ]を中心にThe Rolling Stones[ローリング・ストーンズ]やThe Kinks[キンクス]、またモッズと呼ばれた方面からはThe Who[ザ・フー]やSmall Faces[スモール・フェイセズ]などが大きな人気を獲得していった。これらのイギリスのバンドはアメリカを中心とする世界中で大きな人気を得たため、これらのバンドを総称して「イギリスによる侵入」を意味するブリティッシュ・インヴェイジョン(British Invasion)と呼ぶことも多い。

一方のアメリカではイギリスほどではなかったものの、人気を得るロックバンドが生まれていた。サーフィンやホットロッド(車)に関するテーマの曲を多く書いていたThe Beach Boys[ビーチボーイズ]や、The Beatlesをモデルにアイドル的なロックバンドとして生み出されたThe Monkees[モンキーズ]などが大きな人気を得ていた。

またこうしたオーソドックスなロックだけではなく、より荒々しく攻撃的なスタイルを持ったロックも浮上してくる。ガレージで爆音で演奏することを意味したガレージロック(Garage Rock)として、The Sonics[ソニックス]やThe Wailers[ウェイラーズ]などが人気を獲得し、これは後のサイケデリックロックやパンクロックにも大きな影響を与えていくことになる。

また、ロック以外ではアメリカを中心にフォーク(Folk)が大衆的な人気を獲得しつつあった。その代表格として挙げられるのがBob Dylan[ボブ・ディラン]とSimon & Garfunkel[サイモン&ガーファンクル]であろう。フォークはもともと民族音楽を指す言葉であったが、ボブ・ディランの流行によってアコースティックギターで弾き語るスタイルが強く認知されるようにもなった。一方のSimon & Garfunkelはより民族音楽的なアプローチを強く行っており、60年代フォークを代表する2者でありながら、そのスタイルはそれぞれ大きく異なっていた。

しかしこうしたロック/フォークのスタイルの区分は60年代中期にかけて徐々に崩れてくる。フォークの音楽性をベースにしながら、ロックのスタイルの楽器構成(ギター・ベース・ドラム)で演奏するバンドが徐々に生まれてきたのである。その代表格と呼べるのがThe Byrds(ザ・バーズ)で、彼らはボブ・ディランの"Mr. Tambourine Man"(ミスター・タンバリン・マン)をロック風にアレンジして演奏することで人気を得て、これ以降フォーク・ロック(Folk Rock)というスタイルが定着することになる。

フォークの本家であるボブ・ディランやSimon & Garfunkel自身もこうした流れの影響を受け、徐々にロックの楽器構成を取り入れてフォークからフォークロックへの移行を果たしていくことになる。ボブ・ディランの代表曲の1つである"Like a Rolling Stone"(ライク・ア・ローリング・ストーン)はまさにディラン流のフォークロックの1つの完成形と呼ぶことができるであろう。一方でロック方面からフォークロックへ接近する流れも見ることができた。たとえばThe Beatlesの最高傑作の1つとして挙げられることも多いアルバムである"Rubber Soul"(ラバー・ソウル)は、ロックからフォークロックに対する回答としても解釈されることが多い。

◎フラワームーブメントとサイケデリックロックの隆盛(60年代後期)


ロックはもともとヴォーカル・ギター・ベース・ドラムの4つの楽器で演奏されるスタイルであったが、60年代中期頃になると、どのバンドもより新しいスタイルを求めるようになっていった。その中からシタールやバンジョーなどの民族楽器やクラシックで用いられる楽器などを取り入れたり、より実験的な要素をそのサウンドの中に盛り込むことを模索するようになってくる。

一方で当時の社会ではベトナム戦争の長期化による反戦ムードが高まっており、またそれに伴って精神の解放や自由を目指す動きが強まっていた。この運動に大きな影響を与えたのが、当時はまだ合法であったLSDであった。この時期においてはLSDを使用することによって、精神の解放を促し、心のより深い部分に到達することができるという好意的な評価が少なからず寄せられていた。またこうした自身の内面と向かい合おうとする動きは、インドなどの東洋文化への関心にもつながり、LSDとともに瞑想なども広まっていくことになる。こうした文化の担い手はヒッピーと呼ばれ、アメリカ西海岸のサンフランシスコがその一大拠点となり、フラワームーブメントと呼ばれ、「ラブ&ピース」などのフレーズとともに急速に社会に根を張っていくことになる。

これらの動きは多くのミュージシャンへも多大な影響を与えていくことになる。当時すでに新しい音楽スタイルへの関心が高まっていたミュージシャン達はインド音楽などを取り入れながら、LSDによる幻覚作用を音楽を通じて表現し、フラワームーブメントに通じるテーマ性を持った音楽を生み出していくことになる。

これらの音楽はサイケデリックロック(Psychedelic Rock)と呼ばれるようになり、ロック史上最大のムーブメントを花開かせることとなった。The Doors[ドアーズ]、Jimi Hendrix[ジミ・ヘンドリクス]、Jefferson Airplane[ジェファーソン・エアプレイン]、Grateful Dead[グレイトフル・デッド]、Love[ラヴ]などの新進気鋭のバンドが生まれて大きな人気を得ただけでなく、もともとはオーソドックスなスタイルのロックを演奏していた多くのバンドもこのサイケデリックムーブメントの中に身を投じていくことになる。

The Beach Boysは1966年にサイケデリックの先駆的なアルバムの1つとなる"Pet Sounds"(ペット・サウンズ)を発表し、それに強く触発されたThe Beatlesは翌1967年に"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"(サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド)を発表する。これらのアルバムはサイケデリックロックを代表するアルバムとして数えられるだけでなく、ロック史を代表するアルバムとして今もなお極めて高い評価を得ている。他にもこれまでに名前を挙げてきたThe Who、The Rolling Stones、Small Faces、The Byrdsに加え、The Zombies[ゾンビーズ]、The Animals[アニマルズ]、Buffalo Springfield[バッファロー・スプリングフィールド]、Bee Gees[ビージーズ]などのバンドもこの流れに加わり、シーン全体がサイケデリック一色に覆われるようになっていく。

また、ガレージロック方面からは13th Floor Elevators[サーティーンス・フロア・エレベーターズ]やThe Seeds[ザ・シーズ]、フォーク方面からはDonovan[ドノヴァン]やThe Incredible String Band[インクレディブル・ストリング・バンド]などがサイケデリックシーンの中から人気を獲得していく。

こうしたサイケデリックロックの音楽性はおおむね2つのタイプに分けられ、ドラッグの持つダウナーな要素や脳のトリップ感覚をオルガンなどの楽器で表現したものと、LSDによる幻覚作用を表現したようなファンタジックで幻想的なサウンドのものがあった。前者はThe DoorsやJefferson Airplaneやガレージロック系のサイケデリックロックバンド、後者はThe BeatlesやThe Beach Boysなどをその代表格として挙げることができる。またThe ByrdsやGrateful Deadなど、そのどちらとも違ったタイプのサイケデリックロックを鳴らすバンドも多く存在した。

また、これらのムーブメントと並行して、サイケデリックロックの要素を取り入れながら、より前衛的で実験的な音楽を目指すグループも存在した。The Velvet Underground[ヴェルヴェット・アンダーグラウンド]はその代表格で、彼らのアルバムは今もなおその創造性が極めて高く評価されている。また、Frank Zappa[フランク・ザッパ]やCaptain Beefheart[キャプテン・ビーフハート]もまた、こうした実験的なロック(Experimental Rock)を代表する存在と呼ぶことができるだろう。

こうしたフラワームーブメントと並行しながらも、ゴリゴリのサイケデリックロックに比べると、もう少しシンプルなサウンドを志向したバンドも数多く、こうしたサウンドはサンシャイン・ポップ(Sunshine Pop)などと呼ばれていく。「聴きやすく実験性が控えめなサイケデリックロック」と解釈してもいいだろう。この系統としてはThe Mamas & the Papas[ママス&パパス]、The Association[アソシエイション]、The 5th Dimension[フィフス・ディメンション]などが大きな人気を得ていった。

--------------

「ロックの歴史」第1回記事は60年代のサイケデリックロックムーブメントまでです!

もちろん今回で終わりではなく、今後70年代以降を紹介する記事もどんどん登場するので、
「ちょっとロックの歴史を雑学的にかじってみるか」という感覚で読んでみてください!(゚x/)

【関連記事】
ロックの歴史 第6回(2000年代前半まで)
ロックの歴史 第5回(1990年代前半)
ロックの歴史 第4回(1980年代のアンダーグラウンドシーン)
ロックの歴史 第3回(1980年代のメインストリームシーン)
ロックの歴史 第2回(1970年代)
ロックの歴史 第1回(1960年代)

にほんブログ村 音楽ブログ 洋楽へ 音楽(洋楽)ランキング このエントリーをはてなブックマークに追加
(クリックしてくださる際にはCtrlキーを押しながらすると非常に楽です。)

テーマ : 洋楽ロック | ジャンル : 音楽

コメント

 
おはようございます。自分の場合は「この曲なら」とか「このミュージシャンなら」という程度で、とても蘊蓄と呼べるほどのものはないのですが、大変勉強になります。続編にも期待しています。
◎まとめ◎
お陰様で本日も有意義な記事に触れさせて頂きました。かーとさん、今週もいいウイークエンドをお過ごしください。ありがとうございます。
横町さん、こんばんは。

私ももともと洋楽ロックを聴き始めたときはごく一部だけだったのですが、
「このバンドはどんな音楽に影響を受けたのだろう」とか、
「この時代にはどんな音楽文化が形成されたのだろう」といったことに
だんだんと興味が湧き、いつの頃からか体系的に知りたいと思うようになりました。

そうすることで、音楽の面白さが数倍に伝わるようになったのですね。

いつかそうしたことを多くの方に伝えたいと思っていましたが、
ちょうどそうした機会をブログで作ることができて良かったと思います。

続編にも期待してくださるとの言葉、本当に大きな勇気になります。

それでは、コメントありがとうございました。

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
/ ある事件の記録ブログ版
Copyright © He can eat anything but himself! All Rights Reserved.