ラーメンのちょっとしたお話 麺編

みなさんは「ラーメンの麺の種類」というと、何を思い浮かべますでしょうか。

まずは細麺と太麺、そして縮れ麺とストレート麺、
あとは断面が丸いか四角いかぐらいだと思います。

もちろんこれらも麺を構成する要素として重要ではありますが、
実際には麺を語るうえでもっと知っておくべきポイントがあります。

いったい何が麺の食感を決めるのか、
そのあたりをとことん掘り下げていくのが今回の記事の趣旨です。

もしかすると前回のスープ編より目新しい内容は多いかもです。

◎麺の加水率 - 小麦粉100gに対し水何gを含むか


麺の食感を最も左右する要素、それが麺の加水率です。

加水率とは小麦粉100gに対し水を何g含むかを表します。
「全体の重量に対して」ではなく「小麦粉の重量に対して」なのがポイントです。

なので加水率30%なら、小麦粉100gに対して水が30gとなります。

最近はラーメンマニア的な人もけっこう増えてきているので、
この加水率という概念もよく知られるようになりつつあります。

加水率の低い麺を低加水麺、加水率が高い麺を多加水麺と呼びます。
なぜ「高加水麺」ではなく「多加水麺」なのかはちょっと謎です;

低加水麺と多加水麺の特徴をざっくり書くと次のようになります。

[低加水麺]
・質感はやや粉っぽい
・食感はパツパツ、ザクザクと歯切れがいい
・スープとの絡みは良い
・のびやすく、茹で時間も短めで済む
・小麦の風味は強めに出る
・太麺や極太麺にすることは比較的まれ

このタイプの麺が使われる代表格は博多豚骨ラーメンですね。
あの歯切れのいいパツパツとした食感がまさにこれです。

博多豚骨ラーメン以外でも、京都背脂醤油ラーメン、
セメント系の煮干ラーメンなども低加水麺がよく使われます。

[多加水麺]
・質感はみずみずしい
・食感はもちもち、プリプリと弾ける感じ
・スープをはじく傾向がある
・のびにくく、茹で時間が長め
・小麦の風味はやや控えめ
・太麺や極太麺にするのに向いている

多加水麺でまず思い浮かぶのは札幌味噌ラーメンでしょう。
味噌スープに負けない強い存在感とプリ感が印象的ですね。

それ以外では最近定着したつけ麺の麺の大半も多加水麺です。

つけ麺などに使われる極太麺はもちっとした食感が大事なので、
多加水麺は非常につけ麺などには向いているのですね。

慣れてくると、茹でる前の麺の色などからも
低加水なのか多加水なのかが判断できるようになります。

自分の麺の好みが加水低めか高めなのか、
そのあたりも知っておくと麺を選びやすくなりますね。

◎グルテン(小麦粉のたんぱく質)の含有量


小麦粉を麺にしたときの食感は、
その小麦粉に含まれているグルテンが大きく影響します。

小麦粉のグルテン含有量については、少ない方から
薄力粉、中力粉、強力粉となることはよく知られていますね。

そして中華麺には一般的にはグルテンの多い強力粉が使われます。

パスタも同様で、強力粉で作った麺はプリッとした食感になります。

もう少しグルテンが少なめの小麦粉が使われることもありますが、
あくまで例外的で基本的には中華麺は強力粉と考えていいでしょう。

「では中華麺の生地はどれも基本的にグルテンが多めで、
グルテンの量によって違いが出ることはあまりないのでは」
と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

強力粉の中でもさらにグルテンの多い小麦粉を求める方々もいるのです。

その際によく使われるのがオーストラリア産のプライムハード小麦です。
この小麦は非常にグルテンが多く、弾力を強く求める人に好まれます。

あくまで自分がこれまで食べてきた感想ではありますが、
プライムハードはやはりもちもち感などの弾力は一級品で、
そのかわり日本産小麦よりは香りは少し落ちる印象です。

弾力重視ならプライムハード、香り重視なら日本産小麦という感じですかね。

◎かんすい - かんすいには2種類ある!


「そもそも中華麺って他の麺と何が違うの?」と問うなら、
その答えは「麺の生地を練る際にかんすいを使うかどうか」となります。

このかんすいというアルカリ性の水分こそが中華麺を特徴付けるのですね。

かんすいが小麦粉のグルテンに作用することであの中華麺独特の食感が生まれます。

ここまでは漠然とどこかで聞いたことがある人が多いと思いますが、
実はかんすいには大まかに分けて2種類あるという話をここからします。

かんすいは「アルカリ性の水分」と先に言いましたが、
これはいったい何が水に溶けてアルカリ性になっているのでしょう。

答えは「炭酸ナトリウム」と「炭酸カリウム」の2種類の物質です。
大抵のかんすいはこの2つをミックスして作られています。

さて、ここからはややマニアックな情報となっていきますが、
この2つのかんすいにはそれぞれ次のような個性があります。

[炭酸ナトリウム]
・麺の色は比較的白め
・麺の食感はナチュラル
・麺はややのびやすい

[炭酸カリウム]
・麺の色は黄色くなる
・麺の食感はやや人工的なハリを持つ
・麺はのびにくい

一昔前の高速のサービスエリアやスーパーのフードコートなど、
あのあたりにあったいかにも庶民的なムードのラーメンの麺、
あれものすごく黄色くて表面のハリがかなり強めでしたよね。

あれは炭酸カリウム主体のかんすいを使っていたことによります。
麺がのびにくいので、良くも悪くも扱いは楽なのですよね。

それに対して最近のこだわりのラーメン屋さんなどでは、
炭酸ナトリウムを主体としたかんすいを使うことが多いです。

できるだけナチュラルな食感を表現したいためですね。

一昔前に比べるとやや白っぽい麺が増えているのはそのためです。

最近は「中国内モンゴルかんすい使用」をうたう店も多いですが、
このかんすいもまた炭酸ナトリウム主体のものとなっています。

◎その他の麺に作用する要素


ここまで麺の加水率、グルテン、かんすいについて触れてきましたが、
これら以外にも麺の食感や質感などに影響を与える要素があります。

ここではざっくりとそれらの要素について紹介していきましょう。

[卵]
麺に卵を入れて卵麺にすることもよく行われますね。

これはもちろん麺に卵の風味を与える目的もありますが、
食感もプリッとした弾力が強まるという利点があります。

そのためとにかく麺のプリ感などを強めたいときには、
卵を麺に加えるというのも有効な方法となっています。

また当然ながら麺に卵を加えると色は黄色くなります。

すなわち黄色い麺は必ずしも炭酸カリウム系かんすい使用とは限らず、
卵などの他の要素が原因で黄色くなっていることもあるのに要注意です。

[真空ミキサー]
小麦粉と水などをまぜて生地を作る際に、
真空状態を作って気泡が入らないようにするミキサーを
真空ミキサーと呼びます。

なぜそのような食感になるのかはまだ十分に解明されていませんが、
一般的には真空ミキサーによって作られた麺は、
みずみずしさが強く透明感があり、麺の密度感が強く、
なめらかでギュッと強さのある食感になる傾向があります。

[全粒粉、焙煎小麦など]
最近では普通の小麦粉以外に全粒粉などを使うお店も増えています。

これは食感というよりは小麦の香りを立てるためであることが多いです。

ただ全粒粉をあまり多く加えると麺の食感のコントロールが難しくなるので、
全粒粉による香りの演出と食感の維持を両立するには高い製麺技術が必要となります。


ということで、今回はラーメンの麺についてのうんちくでした。

2種類のかんすいなどについてはそこそこ新しい視点だったかもと思います。

もっともこれは決して自分が独自に調べたような内容ではなく、
あるラーメン屋さんのブログを読んで学んだことではありますが。

ということで、みなさんもぜひラーメンの麺への知見を得ていきましょう!(゚x/)

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テーマ : ラーメン | ジャンル : グルメ

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